政治資金収支報告書について
議員の政治資金収支報告書の会計の明瞭性について、疑問が持たれている。今、与野党で1円までの領収書のコピーを添付ならびに公開が義務づける法案改正に調整が続けられている。しかし、各与野党の思惑が異なるため、なかなか進まないのが現状。政治資金報告書を偽る手口としては、領収書のコピーによる偽造、知人への事務所家賃の架空計上、領収書の裏付けのない光熱費の架空計上、最近では事務所の他人への貸付など、法律を逸脱した行為が目立つ。
これは、なぜ起こるかというと、政治家の会計責任者が自ら作って、政治家の判断を待って作成しているからだ。第三者の監査が介入していないため、甘い判断で作成してしまうからだ。もし、東京証券取引所で公認会計士の監査証明が無かったならば、企業は勝手に業績を化粧して良い報告書にしてしまうだろう。その結果、株主等の投資家は著しい損失を被ってしまう。企業では必ず税務調査により申告書の是非が判断される。政治資金報告書も監督官庁で毎年調査して、吟味しなければならない。
従って、政治家の政治資金収支報告書も第三者の監査報告書の添付が義務づけられるのが、政治不信を排除する唯一の道であろう。ただし、誰が政治家の政治資金収支報告書の監査証明書を発行するのであろうか。あまりにも厳しくすると、あえて弁護士・公認会計士・税理士は引き受けないであろう。